断熱と気密
- 齊藤真悟

- 10月13日
- 読了時間: 6分
【今回お伝えしたいこと】
皆さんこんにちは。
住まいづくりにおいて、冬の寒さや夏の暑さへの対応のため、
断熱と気密は大変重要です。
これは「木心つなぐ家」を構成する6つのポイントで「快適」と関わる部分。
今回は「断熱と気密」についてお話させていただきます。
1️⃣はじめに
10月に入って、暑さも和らぎ涼しくなってきました。
朝晩は寒く感じる日もありますね。
この冬はどんな冬になるでしょうか。
気象協会によりますと、寒さは平年並み。
11月から一気に寒くなる模様です。
暑さから一変して、寒さとの戦いとなりますね。
住まいづくりにおいて、冬の寒さや夏の暑さへの対応のため、高断熱高気密は大変重要です。
これは「木心つなぐ家づくり」を構成する6つのポイントで「快適」と関わる部分。
今回は「断熱と気密」についてお話させていただきます。
①「畳暮(たたみくらし)」
②「構造」
③「快適」
④「素材」
⑤「意匠」
⑥「施工」
2️⃣断熱と気密の性能値
日本の四季ってホントに良いですよね。
美しい花が咲いたり、紅葉が見られたり、
海や山のレジャーを楽しんだりと、その恩恵は計り知れません。
一方で、生活するのに厳しい冬の寒さ、夏の暑さを乗り越える必要があります。
住まいにおいては、冬の寒さや夏の暑さをあまり感じずに過ごせることが理想だと思います。
そのため、住まいには高い断熱性能と、気密性能が必要となります。
斉藤建設の「木心つなぐ家づくり」では、高断熱高気密の住まいをご提供しています。
これらの性能を数値にしますと以下の通りとなります。
断熱性能:UA値=0.34w/㎡k
気密性能:C値 =0.3c㎡/㎡
突然数値を出してもわからないですよね。
このあと順を追って説明させていただきます。
3️⃣断熱性能とその必要性
なぜ、高気密高断熱を大切にしているか。
斉藤建設を選んでくださったお客様に対し、
・健康に過ごしてもらいたい
・快適に過ごしてもらいたい
・省エネに貢献したい
そのためには高気密高断熱は絶対に必要。
理由はこの一心です。
日本の四季は素晴らしいものですが、同時に厳しい夏の暑さや、冬の寒さがあります。
今年(2025年)の夏は非常に暑く、隣町の伊勢崎市では観測史上最高気温41.8℃を記録しています。
一方で、この冬は例年通りの寒さで、大雪の可能性もあるとの見通しもあります。
厳しい状況でも、お客様には健やかに過ごしてほしいと願っています。
《健康に過ごしてもらいたい》
厳しい暑さ、寒さには危険が潜んでいます。
代表的なものとして、熱中症やヒートショックがあります。
特に冬季のヒートショックは、住まいの中の温度差が大きいことが原因のひとつです。
防ぐためには「温度差を無くす=断熱性能を上げる」ことが必要です。

政府広報より引用
《快適に過ごしてもらいたい》
心地よく過ごす場所。最も落ち着く場所。
住まいとはこうあるべきです。
ですが、暑かったり、寒かったりと不快だったらそうも言っていられません。
快適と感じる温度は…。
冬季は24±2℃、夏季は26±1℃
とされます。
問題は、これは温度計に表示される「空気温度」では無いというところです。
「体感温度」がこの範囲に収まる必要があります。
体感温度は以下のように算定されます。
体感温度=(空気温度+壁床天井など表面温度の平均)÷2
つまり、暖房で室温を24℃にしても、壁などの表面が10でしたら、
体感は17℃になってしまって快適とはいえません。
空気温度(温度計の温度)は冷暖房で調整できますが、
表面温度は断熱性能によって大きく左右されます。
そのため、快適な住まいには高い断熱性能が必要なのです。
《省エネに貢献したい》
断熱をしっかりすることによって、冷暖房の使用量が減って、省エネに寄与します。
電気代などランニングコストが減り、より安心して暮らしていくことができます。

電気代などのエネルギー価格が高騰するなか、断熱性能はより重要になってきています。
4️⃣断熱性能を表す数値 UA値
高断熱といっても、言葉だけではどの程度なのか、他と比べてどうなのかはわかりにくいです。
そのため、断熱性能を数値化した指標“UA値”があります。
UA値:住宅の「外皮平均熱貫流率」を示す指標で、家の断熱性能を数値化したもの。
数値が小さいほど、熱が逃げにくく断熱性が高い住宅とされる。
法律では、UA値によって等級付けされます。
「断熱等性能等級」といい、住宅の断熱性能がどのくらいかを示します。
国土交通省が制定した「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」において設けられました。
等級は1~7の7段階あり、数字が大きいほど断熱性が高いことを示します。
等級を満たすための数値は、場所(地域区分)によって決まっています。
群馬県の平野部は主に6地域なので、
国の定めた「断熱等性能等級」は…。

一方、わたしどもは国より厳しい基準を設けて推進してきたHEAT20を利用してきました。
HEAT20は、「20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」が提唱する、住宅の高断熱性能に関する基準です。
G1・G2・G3という3段階の断熱グレードを定め、快適性・省エネ・健康を重視した住まいづくりを目指しています。
HEAT20のグレードは…。

「木心つなぐ家」では、UA値=0.34w/㎡K以下を基準としています。
これは、HEAT20におけるG2、断熱性能等級における等級6を超える数値となります。
HEAT20におけるより厳しい地区、4地域(東北 北関東山間部など)のG2グレードに匹敵する断熱性能となります。

より高い断熱性能は健やかな暮らしにつながります。
お住いになる方が快適に安心して暮らせるような基準としています。
5️⃣気密性能とその必要性
断熱性能を高めても、空気がダダ漏れの住まいでは実力を発揮できません。
気密処理をしっかりと行い、空気の漏れを最小限にする必要があります。
この気密性能も数値化されています。
C値:「相当隙間面積」
住宅の「気密性能」を示す指標で、家にどれだけ隙間があるかを数値化したもの。
数値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高い住宅とされます。
「木心つなぐ家」の基準は0.3c㎡/㎡です。
これは、延べ床面積1㎡あたり0.3c㎡の穴しか空いていないということです。
100㎡(約30坪)の住まいでは、100×0.3=30c㎡となり、家全体で5cm×6cm程度です。
高気密住宅の明確な基準はなく、一般的には1.0c㎡/㎡以下と言われています。
高気密にすることで、以下のメリットがあります。
結露の防止:壁内結露のリスクが低下 カビの防止にも
快適性:足元などからの冷気侵入による不快感の軽減
冷暖房効率が向上:漏気が減り、室温が安定 省エネに
換気効率の向上:計画どおりに換気が機能。空気がよどみにくい
さらには「隙間が少ない=丁寧な施工」の証明となります。
気密性を高めるためには、大工をはじめ、電気設備、水道設備など、関わる業者さんの協力が不可欠です。
高気密はチームプレーの結果ともいえます。
快適に、健康に暮らすためには、高いレベルの断熱性能と気密性能は絶対に必要となります。
これらは木心つなぐ家づくりを進めるうえでも最重要項目のひとつです。
今回は「断熱と気密」についてお話させていただきました。
住まいづくりの説明が主体となりましたので、堅苦しい文面になってしまいましたことをお詫び申し上げます。



























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